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南アフリカ共和国とはどういう国か?~ラグビーから見るRSA~

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ラグビーのワールドカップが日本で行われています。皆様熱戦をご覧になっているでしょうか?

ラグビーというスポーツは日本ではあまりなじみがなかったり、以前の花園のような大学ラグビーの印象が強い世代の方もいらっしゃるかもしれませんが、世界的にみればメジャーなスポーツの一つであります。もともとサッカーから派生したという話をご存じある方もいらっしゃるかもしれませんが、どちらかというと200年ほど前までは「手を使っていいサッカー」が主流だったといわれており、それに派生してラグビーが生まれたといわれています。なのでサッカーから生まれたというより、サッカーから分離したという言い方の方が良いのかもしれません。

いずれにせよ、’Rugby football’といえば、世界的に、特にイギリス連邦(主に旧英国植民地)ではとても人気のあるスポーツです。諸外国に行くと、サッカーの人気の高さとともに、日本では全く知られていないラグビーやクリケットの人気の高さ、野球の世界的な人気のなさにおどろいたりします・・・。


南アフリカ共和国とラグビーの話

2015年ラグビーの前回大会で日本は南アフリカ共和国から大金星を挙げて世界中から注目の的になりました。Wカップ優勝経験国、古くから世界最強の国の一つといわれている南アフリカ共和国から勝利したことはラグビーを普段見ない私にとっても衝撃的でした。

この南アフリカ共和国はアフリカの最南端に位置する、大航海時代以降に白人の流入が進み都市や国として徐々に成立していき、ダイヤモンドや金の発見とともに急速に経済的に発展していった国です。歴史を話すととても長くなりますし、私も南アフリカに行ったときにかじったくらいで専門家ではないしわけわからん事言ったら申し訳ありませんので書籍などご覧ください。

 

ただ、この南アフリカ共和国の歴史を語るときに、このラグビーとのかかわりが必ず出てきます。

 

南アフリカ共和国は長きにわたり、アパルトヘイトという明確なる人種差別政策があり、世界でも最も近年まで人種差別を合法化していた国です。世界的な批判にさらされ、デクラーク大統領・ネルソンマンデラ大統領によってアパルトヘイトが終わったのはつい25年ほど前の話。このお2人はノーベル平和賞を受賞しているので有名だと思います。白人と黒人はトイレも別で、タクシーランクの並びさえ別に存在していた、近代には思えないような政策をしていました。

南アフリカのアパルトヘイト記念館にある、かつての標識。「白人のためのタクシー乗り場」

そしてこのラグビーはこの白人と黒人の融和の象徴として語られることが多いです。アパルトヘイトが終了したことから国際的に評価された南アフリカ共和国は、1995年に現在日本で行われているラグビーワールドカップを自国で開催し、かつ初出場するということになりました。このとき、黒人指導者の象徴として名高い、ネルソンマンデラ大統領は全力でこのラグビーを応援することにします。当時、ラグビーが国民からまったく人気がなかったからです。

どういうことかといいますと、「ラグビーは白人のスポーツであって、黒人はやらない」というのが南アフリカ共和国の伝統とされていたのです。実際南アフリカに行ってみて、黒人のスポーツといえばサッカーでした。子供たちは皆サッカーをしている・・・という感じです。実際サッカーを良くみる方はご存知かと思いますが、サッカーの南アフリカ代表はほとんどが黒人です。

黒人の南アフリカのガイドから聞いた話として、「最近の子供はラグビーも好きだけど、僕なんてW杯までほとんど見たこともなかったよ笑」といわれたのが印象的でした。それくらい黒人からはラグビーは人気がなかったのです。

2013年の写真ですが、南アフリカのサッカー代表写真。ご覧の通りほぼ黒人。

 

その環境下において、1995年のラグビーワールドカップでネルソン・マンデラ大統領は代表を全力支援します。開幕戦から直接応援し、黒人と白人の融和の象徴として積極的にアピールしたのです。その結果、国民の後押しもあったことからか南アフリカは初出場・初優勝を成し遂げ、国民融和の象徴として語られることになります。その際の様子が映画化されています。

このように、ラグビーは人種問わず南アフリカ共和国の人気スポーツとなり、1995年ワールドカップ出場時はチェスターウィリアムス1人しかいなかった黒人代表選手は、2019年Wカップでは10人以上黒人選手が選ばれ、キャプテンも黒人選手です。ラグビーは南アフリカにとって、単なる人気スポーツの枠を超えた歴史の上で重要なスポーツといえると思います。


南アフリカ共和国 -Republic of south africa-

今回、南アフリカについて書いたのは別にラグビーだけが理由ではありません。15年以上前に、南部アフリカを訪れた際にその南アフリカ共和国を旅したことがあります。その時の日記が出てきました!これは確か帰国する飛行機の中で書いた記憶があります。その当時に感じた感想を読んでみると興味深かった!

アパルトヘイトを身に染みて感じてきた感想です。

想像以上の発展、ヨーロッパのような街にアメリカの雰囲気を合わせ持つその裏側にはいまだ低水準な黒人社会の顔があった。経済格差、治安の悪さ、アパルトヘイトの後味など、その他含めいまだに残る白人の黒人への扱いが大きな原因であると感じた黒人社会をのぞいてみたいと思っていた自分にとっては治安が悪いために、ダウンタウン(黒人居住区に限らず)に特に夜は近づけなかったことや、ミニバスなどのローカル路線が使いにくいというのが残念であった。

しかしなによりの問題は『アパルトヘイトによる黒人以外の人種への不信感や劣等感』がいまだに根強く残っている箇所ではないか。南部アフリカを周遊して南ア(時にナミビアも)の黒人というのは他国の黒人に比べ雰囲気がかなり異なるというのを肌で感じるときがある。「いきいきとして人が良くフレドリーな…」という黒人のイメージを見事に裏切る印象すら与えるのである。

現地の旅行会社(道祖神)の駐在員の方が言っていたが「南アの黒人はアパルトヘイトのために、白人やアジア人(名誉白人)が黒人社会に入ってくるとか、興味があるとかいう事実自体を受け入れ、理解することができない」と言われていたが、それは確かに一理あったように思う。また、これは実際にソウェトツアーで感じることができたが「外人がズールー語、ソト語とかで話しかけても英語にしか聞こえていない」というような印象を受けるのだ。なんとも言えない不思議な感覚であったが、人種に限らずアパルトヘイトの後味が残る悲しい国であるように思う。同じ国にいながら、まったく別の社会で生きているという感覚が根強く残っているのかもしれない。

自然に関してはすばらしい。ケープタウンの景色や、クルーガー国立公園を初めとして美しいものが多いと思う。黒人の世界を見ることなく自然だけを見て旅行できてしまう箇所がこの国を観光大国として美化してしまっている要因と感じる。この国は物価も高く、自然だけを見るのでも価値があり、バックパッカーとしてではなくツアー旅行者・ある程度お金の自由がきく旅行者として行くなら非常に旅しやすい国であろう。バックパッカーとしては障害となるものも多く、めんどいかも。ただし、いずれにせよ非常に奥の深い、考えさせられる国であることは間違いない。

 

この国に訪れたは私が19歳の時。

 

なかなか生意気なことを言っておりますねえ( ゚Д゚)

 

ただ、南アフリカ共和国はなんかイメージ的にはアメリカに近いような印象を受けたのは今でも覚えています。都市部は先進国並みに発展していて、不自由はなくサファリも気軽にできる環境ですが、ひとたびスラム街あるいは黒人街に行くと途端に表情が変わり・・・。また白人・黒人それぞれに別々の社会が形成されており、アパルトヘイトが終わってから10年程度たっても根本は変わっていなさそうだなと痛感したのを覚えています。

南部アフリカを6~7か国回りましたが、南アフリカほど顕著だった国はありませんでした。今はサッカーワールドカップも行われた後ですし、なんか変わっているのかなあ?ラグビーを盛んにやっている黒人の少年たちも見れたりするのかもしれません。

ヨハネスブルグは非常に危険で、私が訪れたとき、同じホステルに宿泊していた方が銃撃されたなど、本気でやばい場所でした・・・。そういうことも変わったりしているのかなあ・・・。ケープタウンのテーブルマウンテンはとてもきれいで絶景でした。観光地としてはとても良い場所だと思うので、どんな雰囲気になっているのかまたのぞいてみたい気がします。

テーブルマウンテンから見たケープタウン。

クルーガー国立公園にて。ただサファリはケニアの方がオススメ

黒人居住区SOWETO。黒人差別が撤廃されてもまだ貧富の差はあり。

喜望峰。なお、大陸最南端ではありません・・・。

南アフリカ共和国ツアーの一部ご紹介してます。

南アフリカ共和国は想像以上に発展した観光国

以上、ラグビーを通じた南アフリカの様子・歴史・観光についてお話してみました。世界の歴史の舞台を訪れると、色々なことを知れたりできるのも旅の醍醐味です。クルーガー国立公園をはじめとするサファリを楽しめる上に、ケープタウンを一望できる美しいテーブルマウンテン、アフリカ大陸の歴史ある喜望峰、黒人居住区SOWETO(ソウェト)、ネルソンマンデラ大統領の生家など、見どころがたくさんあるのが旅行先としての南アフリカの魅力です。

大自然にも囲まれたアフリカの大地でもありつつ、悲しい負の歴史も持った南アフリカ共和国。それでいて大都市は米国の印象もある発展した国でもあります。感想でも述べているように、英語も通じることと、観光客も多いことから観光しやすいです。子連れでも、治安の悪い場所を避ければとても旅しやすいです。ぜひ訪れてみてください。

 

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 旅人、元バックパッカー。内科医。18歳の時に約10か月ほどかけて世界一周を経験。西回りに世界を駆け巡り、その後も休みがあれば旅を続け、今まで訪れた国はだいたい60か国くらい。旅で出会った日本人女性と結婚し、妻と子供2人の4人家族。

今まで1人旅・カップル旅を経て、家族旅行するようになっても世界中のどこへでも行く旅好き家族に。

「子供がいるからそこへは行けない」ということがないわけではないけれど、子供たちのためにも、子供たちのためになるのであれば、どこへでも行きたい、世界一周旅行でも行きたいと妄想し続けるアラフォー。まずの目標は「50歳でもう一度妻と世界一周する」。

夢は、世界のすべてをこの目でみること・世界の広さや美しさを子供に、そして世界に広めること。

今の充実した生活の原点を作り出したのが自分にとっては旅だった。見るものすべてが新しかったあの旅の感動は忘れられない。

 

2020年末をめどにアジア某国に家族で移住予定。旅の話とともに、移住の話もお伝えしていこうと思います。

子連れ旅行のことを中心に、役に立てたらうれしくおもいます。

 

Instagram:アイジュ




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