子連れでも、世界一周旅行がしたい

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旅のために1年、医師を休んだら?

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ブログをやっている時間があまりなく、ついつい遅れがちになっていましたが、時間があるときにせめてm3の記事更新はしていこうかと思っております。

連載20回目は、かなり医師向けの話になります。したがってあまり医師ではない方にはピンとこない話かもしれません、ご理解ください。

前回の記事「旅のために投資を始めた医師の実感」では、「人生とは旅そのもの」と考えるまとめをお伝えするとともに、旅をするのに必要な「お金」について取り上げました。今回は旅にもう一つ必要なもの、「時間」をテーマとして取り上げたいと思います。旅のために長期間の休みを取ると、その後のキャリアはどうなるのか?ご自身やお子様の将来を不安視する先生は多いのではないでしょうか。



週末旅を楽しむ医師もいる一方、長期の休みはとりづらい

旅をするには、たしかに時間が必要です。世界を見て周りたい、世界中を旅したいとなると、数週間~数か月間、長ければ1年以上といった期間がかかるでしょう。

とはいえ、旅のスタイルは人それぞれであり、週末をうまく利用して世界中を訪れている方はたくさんいらっしゃいますし、それも旅の楽しみ方の一つです。また、職場が1カ月程度の休職やお休みを認めてくれるようなレアな病院ならよいですが、多くの先生方にとってそんなことはまず現実的ではありません。

職場を離れる、あるいは別のところに異動するなどのタイミングでないと、わが国では長期間の旅に出るなんてことは躊躇してしまうような状況であるケースが大半でしょう。ご家族がいればなおさらだと思います。

もちろんこれは医者に限った話ではありません。現代社会であれば、サラリーマンであれ、誰であれ、働くほとんどの方にとって考えていくべき問題だし、働き方改革の一環として考えていくべき問題かもしれません。

誰にだって亀のようにのんびりしたくなる時がある・・・!?

 

キャリアの多少の遅れは挽回可能 ― 海外経験は人生を豊かにする

臨床にも研究にも時間が必要。そのため、医師にとっての時間は非常に大切です。キャリアはしっかりと積みたいから、時間・期間のことを考えるとより躊躇してしまう。旅はしたいけど研究にも精を出したい!がんばりたい!という先生も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、長い医師生活から考えると、旅に出ることでキャリアが1年ほど遅れてしまう心配をして躊躇するよりも、実際に旅に出て若いうちに新たな経験や思想を得るほうが、必ずその後の人生にプラスに働くと思います。旅に出れば、今までに私がこの連載でお伝えさせていただいた数々のお話が、実際に自分の成長として感じられることでしょう。

もし、先生がすでにキャリアを一通り積んでおられる方なら、しばらく日本を離れても、半年や1年くらいで手技や知識を忘れることはないと思います。また、学生や研修医の先生あるいは若手の先生であっても、まだ若いので実践力はすぐに取り戻すことができるはずです。実際に私の周りでも、研修医の途中で、あるいは初期研修が終わったタイミングで世界に飛び出した友人がいますが、今もしっかり専門医として働いています。

もちろんたかが10年強程度しか医者として働いていませんので30年後くらいに同じことを言えるかどうかの保証はありませんが、旅で得られたものが大きすぎた私にとって、バイアスはありますが、この考えが大きく変わることはないと思います。


興味がないなら、無理に旅に出る必要はない

特に若いうちに得た経験は、必ずや皆さんのプラスになって人生の糧となってくれるはずだと思います。そうしたことを考えても、私は旅にできれば若いうちに、もちろん若くなくても、何かのタイミングで旅に出ることを多くの方におすすめしています。しかしながら、同時に皆様にお伝えしておきたいことは、誰もが旅に出たほうがいいわけではないということです!

やはり人には向き不向きがあります。実際私自身は臨床第一の人間であって、研究が全く肌に合いませんでした。今でも研究してきたあの日々を返してくれと思うほど。得られたものがなかったとは言いませんが、10年前の自分に戻ってアドバイスするとしたら「研究はやらないでベッドサイドにいろ」と言うと思います。臨床医全員が研究したほうが良いという論調が医療の世界にはありますが、あれは間違っていると今でも固く思っています。

趣味・旅もそれと同じではないでしょうか。肌に合わないと感じているのに、無理やり旅に出る必要はないと思います。

 

 

お子さんが「旅に出たい」と言ったら、ぜひ応援を

ただし、先生方のお子さんが将来医師、あるいは医学生となって長期で旅に出たいと言ったら、先生ご自身が旅に興味がなかったとしても、ぜひ行かせてあげてほしいと思います。学生であっても、医師になった後だとしてもです。きっと、お子さんは一回りも二回りも大きくなって帰ってくるはずです。「1年も医学から離れるなんて・・・」と考えるよりも、「長い医療者としての人生、1年くらい別のことに捧げてこい」くらいのつもりでいたほうが、この多種多様な今の時代には適しているのかもしれない。私はそのように考えることがあります。

世界は広い、そして世界は素晴らしい夢にあふれている。このことを感じるための選択肢の一つとして、私はこれからも旅をおすすめしていきたいと思っています。

どんなに小さな子供でも、日本との違いや今いる環境との違いを必ず感じ取ってくれると思います

 

まとめ

時間についての考え方は本当に人それぞれですが、もしご自身の中で迷いや悩み、もしくは「環境を変えたい」などの思いがあるタイミングで旅をすれば、旅は人生を豊かにするヒントをくれるかもしれません。

「人生観を変えよう」などと大げさに構えなくても大丈夫です。旅を楽しむだけで、心は豊かになるでしょう。ぜひ、自分だけの旅のスタイルを見つけて、人生を豊かにしてもらいたいと思います。

とはいえ、自分の旅のスタイルも変わっていくものです。
次回はバックパッカーとしての旅人と、夫婦、そして子連れとなってからの旅人の感覚について、お話をしていこうと思います。

 

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 旅人、元バックパッカー。内科医。18歳の時に約10か月ほどかけて世界一周を経験。西回りに世界を駆け巡り、その後も休みがあれば旅を続け、今まで訪れた国はだいたい60か国くらい。旅で出会った日本人女性と結婚し、妻と子供2人の4人家族。

今まで1人旅・カップル旅を経て、家族旅行するようになっても世界中のどこへでも行く旅好き家族に。

「子供がいるからそこへは行けない」ということがないわけではないけれど、子供たちのためにも、子供たちのためになるのであれば、どこへでも行きたい、世界一周旅行でも行きたいと妄想し続けるアラフォー。まずの目標は「50歳でもう一度妻と世界一周する」。

夢は、世界のすべてをこの目でみること・世界の広さや美しさを子供に、そして世界に広めること。

今の充実した生活の原点を作り出したのが自分にとっては旅だった。見るものすべてが新しかったあの旅の感動は忘れられない。

 

2020年末をめどにアジア某国に家族で移住予定。旅の話とともに、移住の話もお伝えしていこうと思います。

子連れ旅行のことを中心に、役に立てたらうれしくおもいます。

 

Instagram:アイジュ




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