m3.comのメンバーズメディアにて連載させていただいている「人生で必要なことはすべて旅が教えてくれた 」6回目の連載です。
この前の回の記事である「世界放浪医師が説く、人生設計とは 」では、大きな目標をたてることの大切さに触れてきました。今回は、目標を立てたうえでの人生設計をしつつ、旅人として常に意識していること、心掛けていることをお話ししていこうかと思います。
私は旅をするとき、必ず何を見たいかといわれると「人」を見たがります。もちろん自然文化遺産などを見る際は人をみませんが、旅していて文化を知りたいとき、人々の文化を見ることから始めることが多いような気がします。人の歴史も含めて、人に着目することが多いです。そんな話。
医学部を即休学したバカ息子~m3.comでの連載記事1回目~
世界放浪医師が説く、人生設計とは ~m3.com連載5回目の転載~
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人生の道しるべにもなる、私が最も旅で楽しみにしていることとは…
皆様も旅行に行かれるとき、あらかじめ何を楽しみたいか考えていかれると思います。景色が見たい、遺跡が楽しみ、どんな美味しいご飯があるのかなど。それぞれであると思います。世界遺産が好きな人(私も好きですが、世界遺産のリスト化などをしたりしたことはありません)、私が最もその国に訪れたら必ず触れたいものそれは・・・。
人。
もともと私は人懐っこいといいますか、人見知りを全くせず、心底人を嫌いになることもあまりありません。むしろ人にはそれぞれ歴史があり、文化があり、価値観があり、物語がある。人があって様々な物事が生まれるわけですから、どこの国に行ってもまずその国の人々がどんな雰囲気なのかを感じるようにしています。現地の方と飲みに行ったりして意気投合するということだけでなく、あえて距離をとって外から眺めてずっと観察だけをしていたり、外国人観光客として現地の方に会ったりなど、様々な視点・角度から人と触れ合えるように心がけています。もちろん時間的な都合や、やむを得ない事情によって、一緒にバーで飲みあかして終わっちゃった…ということもありますが、様々な角度から現地の方々の様子や文化を学ぶことで、様々な価値観に触れられるような気がして、自分の人生の大きなヒントになったり、道しるべになったりしていると思うからです。
Khulna,Bangladesh.
バングラデシュの小学校に行ったときの写真。外国人を珍しそうに見に来て、サインまでねだられました( ゚Д゚)
人々とのふれあいが自分の原点 ~医療人としても旅人の経験は役に立つ~
私は世界放浪時の人々との触れ合いが自分の原点だと感じていて、やはり自分の進むべき方向は人とのふれあいを重視したものなのだろうと思っていましたし、今もそう思っています。
人との付き合いの良さ・悪さ、人の持つ強さ・弱さなどを学び感じてきたからこそ、今の自分があると確信しています。旅を通じて自分なりに発見した”人”という概念は、良い意味でも悪い意味でもやはり私の心の根底にある原点なのだと思うのです。同じ国の人でも考え方が違うというのは我々日本人とて同じでありますが、それが異文化であれば、尚更なのは間違いありませんし、世界には実に様々な考え方があるということも知りました。
今後具体的にどんな文化に驚いたかはお伝えしていこうと思いますが、(あげ始めるとキリがないので今後の連載でお話しさせていただこうと思います、次回以降に。)旅先で見てきたり、接したり感じたりしてきたことで、様々なタイプの患者さんがいらしても全く動じることはありませんし、受け入れられない患者さんもお会いしたことはありません。臨床医(いわゆる患者さんたちを診察したりする皆さんがイメージする医者のことです)は、私の中で楽しいと心から思える理由の一つに、こういった経験があるからかもしれません。
世界中それぞれの環境によって医療への考え方も大きく変わります。
しかしどこに行っても「医師というのは病気を治すとともに、自分に寄り添ってくれる存在だ」という意見を持つ人が世界中に多くいることに気づかされました。
その体験を通じて、寄り添える存在になる、つまり真に患者さんを理解するためには、その国や人を知りその文化を理解しないと成り立たないのではないかと考えるようになりました。
そこで患者さんとの触れ合いを重視する臨床医になりたかった私は、「医師として日本の文化を心から理解するためにも、医学を学ぶための留学は少なくとも私には不必要」と心に決め、1人前の医師になるまでは医学留学はせずに必ず日本でがんばろうと18歳にして固く誓い、それを実行してきました。間違いなく旅での経験が生んだ医師としての決意です。
また、世界で体験してきた異文化コミュニケーションや人間観察は、間違いなく様々な人と出会う医療人として役に立っていると思っています。本当にいろんな方が世界にはいますので・・・。
「1年間・150万円くらいで世界一周してきました!」 自己紹介で活きる放浪経験
私がどんな人なのか、各所で自己紹介するときに皆さんに覚えていただきたいときは「世界一周経験者である」こと、「旅先で日本人の妻と出会った」ことを必ず話します。とにかく食いつきは半端ではありません。もちろん、旅をする人は良い意味で広い世界観を持ち、日本の良さも悪さも理解できる環境にいると思いますが、悪い意味では「外国かぶれ」と思われてしまうリスクもあります。しかも医師でそういうことをやっていると、「ただのボンボンが!」「金持ちの道楽だろ?」とか言われてしまうこともたまにあります。
しかしそんなときに、
「1年間・150万円くらいで世界一周してきました!」
「いや~あのときのヒッチハイクは最高だった!」
「嫁とはペルーで会ったんです」
といった、旅人エピソードを伝えると、私に興味を持ってくれたり、覚えていてくれたりすることが非常に多いです。
旅の興味がない人には面白おかしく、インパクト重視で話しますが、旅や海外に興味をお持ちの方にはゆっくりといろんな話を伝え、世界に飛び立つ喜びや見るものすべてが新しかったあの感動を体験してほしいことをアピールするようにしています。もうその話をしているだけでも、ほとんどの方は興味を持ってくださいますし、それだけでも旅は人を豊かにしてくれるとわかります。もちろん興味ない方もいらっしゃいますが、多くの方が旅に興味を持っているんだなあということを痛感させられます。
まとめと次回予告
世界で人をみていくようになると、日本に戻っても、仕事場でも人との会話やコミュニケーションが楽しくなっています笑。ぜひ世界に出て、コミュニケーションスキルを磨いてみてください!
次回からは、現地であった面白い人たちの紹介・面白い国など、旅ならではの実体験を含めて、お話ししていこうと思います。私が世界で一番良かったと思う国、それは・・・。
Santiago de Cuba, Cuba
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というわけで、7回目から数回に分けて
世界で一番良かった国は?
世界で危険な目に合わなかったの?
ということを連載していく予定です。
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