子連れでも、世界一周旅行がしたい

旅に行けば、きっと誰でも成長する。世界を旅行するすべての方へ。See A whole new world.

旅~travel~

海外であった危ない目~血便事件~

投稿日:2019-08-08 更新日:

m3.comで、10回目の連載を載せていただきました。記念すべき?10回目のタイトルは

放浪医師を襲った「血便事件」

です・・・。おい・・・(´◉◞౪◟◉)

 

前回並びに前々回に続き、多くの方から頂く、「危険な目に合わなかったの?」という質問に対するお答えとしての記事です。この記事書いてても思ったのですが、

 

いや~文章書くのってとても難しい!!!

 

皆さんに面白く、そして教訓に、あるいは学び取っていただけるものがあるのかどうか、いつも迷いながら書いています。もともと小論文など文章を書くことはとても得意で、高校生の頃もすべての強化中一番成績が良かったのは「小論文」という人だったのですが、お金もいただきながら多くの方に伝えていくにはどうすればいいのかという試行錯誤は新しい私の中での刺激になっています。しかも正解もないし・・・。まあ正解がある世の中のことなんて少ないでしょうが・・・。

ひとまず危なかったこととして、自分に危害が加わりそうなこともそうなのですが、医者でもありますし、自分の病気についてかかさせていただきました。

多くの方がテロや事件を気にされますが、旅行先・渡航先で病気になる可能性の方が圧倒的に多いわけで、皆さん健康第一でいらしてくださいね。

 




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前回の記事「南米バスジャックで救世主現る」では、私アイジュは、ブラジルにてバスジャック(未遂)という大変な事件に巻き込まれてしまったというお話をさせていただきました。旅にトラブルはつきものですが、今回は、旅行者感染症についての実体験をもとにお話しさせていただければと思います。

 

「水を大量に飲まない」途上国に放浪時に気をつけていること

私がバックパッカーとして、世界中を放浪している時、まだ医学の知識もない医学生だったわけで、病気になった時はどうしようかと、それはそれは気になっていました。もちろん正露丸やビオフェルミン(整腸剤)のようなものはもっていったり、解熱剤を持っていったりはしましたが、かといって医学の知識があるわけでもありません。

しかも、当時の私は、高校を卒業したばかりの若造であり、水道水をそのまま飲んだり、生野菜をよくとったり、夜中まで飲みあかしていたり(18歳だったので日本では犯罪ですが、18歳でお酒がOKという国はかなり当時多かったです)、それはまあ無茶をしていたわけです。よくエジプトの水道水とか飲んでたよなあ・・・A型肝炎にならなくてよかった・・・。(注:生水を飲んでA型肝炎というものになる可能性があるのですがその他にもたくさんの病気になり得ますので、水道水を飲める国はとても珍しいと思っていただいたほうが良いです。大丈夫な国もありますが、迷ったら原則的には飲まないほうがbetterです。)

 

とはいえ、全く気にしていないわけではありませんでした。胃酸というのはとても偉大であると書籍に書いてあったため(なんの書籍かは覚えていません)、胃酸を薄めないように、水を大量に飲まないように気をつけられるときは、心がけてはいました。あとは若かったこともありますが、バックパッカーってよく動きます(1日数万歩くらいは歩くときは歩いてました。5時間くらい歩くのは余裕だった)ので、とにかくよく寝て体力回復は心がけていました。しかし、やはり無茶がたたって、旅も慣れてきたころに喰らってしまったのです。

 

いわゆる食中毒ってやつに・・・。

 

 

イラク料理屋の店主と意気投合! そして、突然の下血・発熱に襲われる

ヨルダンにて。当時はジョージ・W・ブッシュ大統領の元、米国がイラクへの攻撃を検討していた真っ最中でした。旅人アイジュは、米国の攻撃が懸念されていたため、観光客がめっきり減っていなくなったヨルダンにいました。

ヨルダンには、映画「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」でも使われたペトラ遺跡が存在しており、それを見に行くことを目的に訪れていました。

写真 すごい荒い画像しか手元に残っていませんでした・・・ペトラ遺跡

 

いずれにせよ、そのヨルダンでとあるイラク料理屋に足を運んだ際、その店主のイラク人ととても話があい、意気投合しました!今もそうなのかはコメントを避けますが、当時は世界の共通認識は「反米」でしたし、ましてや中東で「I love USA!」なんて言おうものなら、どんだけぼったくられるかわかりません・・・。(危険な目にあう可能性もあったかもしれません・・・。)アメリカは憎き相手でありながらあこがれの対象という不思議な国ではありますが。

話がそれましたが、んでその店主と、いや~「ブッシュってマジだめだよね~」みたいな話をしていたらとっても気にいられ、何日か連続でそのお店に通い、イラク料理をたらふく食べまくっていたのです。

すると、その数日後、ヨルダンからイスラエルに入国し、イスラエルを抜けてエジプトに出国しようとしていた時に異変が起きました。発熱・悪寒・腹痛、そして・・・

 

 お尻から血!!

 

やばい・・・赤痢か?!( ゚Д゚)

(注:赤痢は赤痢菌による感染症のことで、アメーバ赤痢という似た名前がありますがそれとは別物です。日本にはもうない海外病だと思ってください)

まだ、医者じゃないですし、この時はパニックですよ。異変に襲われた時、私は、国境沿いにいて大きな町にいなかったので、クラビットとロキソニン(注:抗生物質と解熱剤。知識がないのにこんなことをしては本来いけません。ちなみに両方とも海外では渡航先で買えます。)を飲んで、ひとまずエジプトのカイロを目指すことにしました。カイロというと、ピラミッドのイメージかもしれませんが、周辺国の中でも相当大きな大都市で、世界有数の観光地ですから、カイロに行けば日本人も多いしどうにかなるだろうと思っていました。

 

これが有名なクフ王のピラミッド!でもなぜか英語でピラミッドって現地ではあまり通じません。Pの発音がアラビア語にないのですが、だからかなあと勝手に思っていました・・・。不明。ちなみに「ギザのピラミッド」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、ギザというのは地名で、厳密にはカイロの外にある地名だとか。「カイロ圏にあるギザ」みたいなイメージらしい。




医務官が下した診断は?

とにかく、私は、カイロまでどうにかしてたどり着いたのですが、フラフラだったからかあまりその時のことを覚えていません。しかし数日たっても、まったく症状が落ちつかないため、当時、日本大使館の医務官が診察をしてくれるという噂を聞きつけて、大使館に行って診察を受けてみることにしました。

私「先生、僕赤痢ですか!?」
医務官「これはね、君、カンピロバクターだ!薬出してあげるから!」

かんぴろ・・・?当時の私はその菌のことを知りませんでしたが、どうやらヨルダンで意気投合した兄ちゃんのイラク料理が原因だったようです。だって、

 

 イラク風チキンのチャーハン

 

みたいな料理だったから・・・。おそらく生焼けだったのでしょう。見事に鶏肉にやられてしまったようです。今思えば教科書的なカンピロバクター感染症だったようですw

 

※注意:m3で書かれている記事なのでわかりにくくてすみません。カンピロバクター菌という菌がいるのですが、我々医者は医学生の時、「生の鶏肉を食べるとかかりうる感染症にカンピロバクターがある」という風に習います。なので、【Q.生焼けの鶏肉を食べて下痢・発熱・血便を伴っている患者がいる。考えられる診断は?】【A.カンピロバクター感染症】というような試験問題をやらされます。もちろんたくさん生の鶏肉の食べてなる病気はあるのですが、カンピロバクター感染症にかかった患者さんの様子として教科書にもかかれるような状態に自分自身がなってしまったのです。さらにこのカンピロバクターには先ほど書いてあったクラビットという抗生剤が効かないというのも試験に出ますw 医療系学生の方がいらしたら、覚えておいてね(*´ω`*)

 

カンピロバクターについてのwikipediaの紹介

 

その後いただいた薬を内服しているうちに徐々に回復していきましたが、とにかく腹が痛かったこと、下痢・下血が止まらず、つらかったという記憶があります。

5㎏以上痩せましたし、今なら多分寝込んでいるでしょう。しかし、私は、時間がもったいないからと思って、痛いお腹を抱えてサッカーラ(サッカラ)という遺跡へ、砂嵐の中、見に行った記憶があります。確か記憶では、バスの中で血便が出てしまい、宿に帰ってパンツ見たら血だらけで焦った記憶が・・・。若かったあのころ君は…。そんなことしてはいけないよ。

 

写真

サッカーラ(サッカラ)にて 奥に見えるのがサッカーラのピラミッド

 

まとめ

あの血便事件は私にとってかなりつらく、それ以来外国に行ったときは水や生もの・食べる量にも気をつけるようになりました。その甲斐あってか、途上国に行ってもめったに下痢をすることはなくなりました。インドでも下痢をしないようになったのは、このカンピロバクターのおかげかもしれません!?

皆さまも、水や生ものはもちろん、旅行者下痢症が最も多い旅のトラブルですので、十分気をつけて外国にはいかれてください。特に途上国は疲れをためないようにするとよいでしょう!

様々な体験談を連続して記事にしてきましたが、次回は、世の中にはいろんな患者さんがいらっしゃるように、世界にはいろいろな文化があることを、皆さまに体験していただこうかと思います。医療現場では、外国人患者さんをご覧になることもあると思いますので、少しでも参考にしていただければ幸いです。

ーーーーーーーーー

旅にトラブルはつきもの。医療的な知識があっても、外国で調子を崩すことはとても嫌です。アフリカに子供たちを連れて行ったときも、子供たちの様子を察知したりあらかじめ大事にならないように手を打つようにしていましたが、皆様も無理をしない、しっかり休む、そういったことをぜひ心がけていただければと思います。

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異文化の衝撃~m3.com 11回目の連載より~

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 旅人、元バックパッカー。内科医。18歳の時に約10か月ほどかけて世界一周を経験。西回りに世界を駆け巡り、その後も休みがあれば旅を続け、今まで訪れた国はだいたい60か国くらい。旅で出会った日本人女性と結婚し、妻と子供2人の4人家族。

今まで1人旅・カップル旅を経て、家族旅行するようになっても世界中のどこへでも行く旅好き家族に。

「子供がいるからそこへは行けない」ということがないわけではないけれど、子供たちのためにも、子供たちのためになるのであれば、どこへでも行きたい、世界一周旅行でも行きたいと妄想し続けるアラフォー。まずの目標は「50歳でもう一度妻と世界一周する」。

夢は、世界のすべてをこの目でみること・世界の広さや美しさを子供に、そして世界に広めること。

今の充実した生活の原点を作り出したのが自分にとっては旅だった。見るものすべてが新しかったあの旅の感動は忘れられない。

 

2020年末をめどにアジア某国に家族で移住予定。旅の話とともに、移住の話もお伝えしていこうと思います。

子連れ旅行のことを中心に、役に立てたらうれしくおもいます。

 

Instagram:アイジュ




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