世にもミステリアスな医者の給料について⑤ 当直バイトと働きすぎ問題

具体例として

多くの病院がこの体制をとっているかはなんとも言えませんが、ちょいとわかりにくいところもあるとおもいますので、私が研修医を終えてすぐの時のとある1か月の給料について例を上げて説明してみます。あくまで一例です。勘違いなさらないでください。私のせいでほかの先生方からお叱りは受けたくないので( ;∀;)

私は大学病院に勤めていました。医局という、大学の同じ専門の先生たちと一緒にやっていく部署みたいなところに所属していました。大学病院では、月曜から土曜日までの日中の間で週4.5日間(+当直)働いてください、その他は週1.5日まで研究するかバイトしてよいですよ、という指示を受けていました。

0.5日とは1日を午前午後で分け、午前を0.5日、午後を0.5日とする考え方のことです。病院によってはこの0.5日を「1コマ」と呼んで、週1.5日のバイト=週3コマのバイトという言い方をしたりします。

つまり私の病院では、半日のバイトを3日間行っていいよといわれていたのです。ここでは丸1日+0.5日でも問題ないです。バイト先の医療機関はバラバラでも、全部一緒でも、実家や親戚のクリニックなどでも何ら構いません。(医者は親族にも医者がいる人が多いですので、親族のクリニックを手伝いに行ったりすることもたくさんあります。)




アイジュ週間予定表

AM 病棟 検査 バイト 病棟 外来 病棟
PM バイト 病棟 病棟 検査 バイト 病棟
当直 大学当直

大体仕事始まるのが8時ごろから、病棟業務も終わって家に帰れるのは21時ごろ。それとは別に月に3回程度当直がありました。ちなみに当直代は研修医と変わりません・・・。当直業務も、救急外来で急患の患者さんを拝見したりするため、忙しいです。やりがいはありますし、楽しいのですが、疲れます・・・w

上の私の例で見てみると、1週間に3回、4~5時間程度のバイトに行っていました。いずれもおおむね時給1万円程度でした。したがって、週に15万円弱のがバイト代として入ります。1月が4週+数日ですので、だいたいバイト先から月60万程度、大学から20万程度支払われていました。まあそれを合わせたのが月給です。

ちなみに大学病院に勤務している若手の医者にはボーナスは基本的にありません。したがって月給×12が年収になります。

それと書き忘れていましたが、このバイト先というのは基本的には自由には選ばず、所属している医局の関連病院へ、上司から「アイジュお前はここの病院手伝ってきて」というように命令されていくものです。自分で見つけてくることもありますが、大学病院などの大きな病院と地域周辺あるいはOBとのつながりを重視する医療界において、このバイト先を通じたつながりというのは意外と医療の世界の重要なポイントなのですが、ここも解説始めるととても長くなりかつややこしくなるので割愛いたします。

したがって、研修医を終えた次の年の給料は約80×12の960万円でした!といいたいところですが・・・

当直バイトについて

ここで実は裏があります。

大学との契約を見直してみます。月曜から土曜日までの日中の間で週4.5日間(+当直)働いてください、その他は週1.5日まで研究するかバイトしてよいですよ、という指示を受けていました。

うーん。

夜のことはなんも言ってないよね( `ー´)ノ

つまり、当直バイトというものには無制限で出かけられてしまうのです。

小さな病院や老人ホームの待機Drとして、アルバイトを頼まれることがあります。

業務内容によって大きく変わりますが、内科医の場合はだいたい当直1回、すなわち1泊につき3~5万程度、土曜日・日曜日だと倍くらいに跳ね上がります。寝て過ごせる待機するだけで実労働は1時間程度の当直を「寝当直(ねとうちょく)」「寝当(ねとう)」といったりもします。楽です。逆に救急病院への手伝いをしに行くバイトもありますが、すっごい大変です。そのかわり給与はよいことが多いです。

研修医が終わってすぐのころだと、上司から誘いという名の押し付けの当直がやってきます。

先輩『なあなあアイジュ、お前今週土曜日空いてる?土曜日の当直行ってくれない?』

私『あ、その日は大丈夫です!(なんだよ早く帰りたかったけど、まあ小遣い稼ぎするからいいか)』

先輩『サンキュー助かった!寝てるだけでいいから!北浦和なんだけどいいよね!』

私『浦和( ゚Д゚)めっちゃ遠いじゃないですか!(ちょっとそんなのきいてないよ、ここから2時間はかかるだろwww)』

先輩『よかったよかった~じゃあ今週の土曜日からね!交通費出るから!』

私『ん?今週から?』

先輩『あ、今週から来月までね。』

私『( ゚Д゚)・・・。1回じゃないのね・・・。わ、わかりました・・・。(拒否権はない)当直代いくらですか?』

先輩『忘れた』

私『・・・寝れますか?』

先輩『大丈夫だよ!寝れる寝れる!』

私『はーい・・・(し、信用できん(+_+))』

という会話が突然飛び交ったりします。

これはOKなんです。夜の当直に制限はないです。

かくして私の真の1週間が出来上がりました。

アイジュの真の週間予定表

AM 病棟 検査 バイト 病棟 外来 病棟
PM バイト 病棟 病棟 検査 バイト 病棟
当直 大学当直 当直バイト

かくして私の真の1週間のバイト代は20万ほど。月にバイト代80万+大学から20万で100万円。年収1200万程度でした。

この年の給料はこれほど高かったですが、マジで休みは在りませんでした。記憶にある限りでは、7~8月の2か月で2~3日だけ休んだような・・・。

月の残業は160時間は余裕であったよね(*’ω’*)

でも、みんなここまで高くはない

ここで問題です。

病院や所属する部署によってはバイトは週1回あるいは週2回と決められていたりします。そういった場合はどうするか?ということですが、その場合は純粋に給料が減ります。

C先生の場合(実際にいる私の同級生の例)

AM 検査 検査 バイト 検査 外来 病棟
PM 研究 病棟 病棟 検査 病棟 病棟
当直 当直バイト 大学当直

この先生の場合は4時間のバイトを1週間に1回、4万円の当直バイトを1回行かれています。バイトから月に30万程度、大学から20万程度。こうなると年収は600万を超える程度です。ちなみに彼も、私と1週間は同じくらい働いていたと思います。

このように、バイトの量が少なくなればなるほど、給料は減っていく仕組みです。

これくらいの給料でも人様よりはいただいているのだから感謝はしないといけません。私はそう思います。ただ医者たちは、こんなに忙しいならもっと欲しい・・・と思っているのが大多数だと思います。

お金のために忙しくしているわけではないことも多い

先ほど申し上げたように、患者さんが入院しているのであれば、医者がいなければ何かあったときに困ります。とはいえ、当直業務は普段よりもはるかに疲れます。いくら寝てるだけの当直といっても、いつ呼び出されるかわかりませんし、体力的にかなりつらいです。

したがってどんな病院でも常に当直してくれる先生を探すのに躍起であったりします。そのためには、若い人材を豊富にもつ大病院の医局と手を結び、若手の先生に定期的に来てくれるようにお願いしていきます。医療の世界も助け合っていく必要がありますので、関連病院との付き合いもあって、医局も定期的に若い労働力を派遣していく必要があります。つまり、若手の医者が希望しなくても、半ば命令のような形でその病院に手伝いしなくてはならない・・・ということも往々にしてあるのです。

したがって当直なんてもうやりたくないって思っていても、上司からの命令が飛んでくるのです。たまに医局外の先輩から頼まれることもあります・・・。

「普通寝てるだけで4万くらいもらえるなら!!!」って皆様おもうかもしれませんが、だんだん疲れがたまってくると「もういいよ~家に帰って風呂に入って寝たいよ~嫁に会いたいよ~飲みに行きたいよ~( ;∀;)」となってきてしまうのです。しかも多い時は週2回とか3回とかガンガンいれられてしまうのです。

そうして大学病院から医者たちは去っていく・・・。これが今の日本の医療界の問題点の一つかもしれません。

そこまで大きくない病院ではバイトなしで契約する

ここまでは大学病院のような大きな病院の話。そうでない、例えば100人程度が入院できるような病院にお勤めだったり、クリニックの雇われ院長をやられている先生もいます。そういう場合は、特にアルバイトをせず、あるいはアルバイトは禁止されていて、年収○○円で病院と専属(という言い方があっているのでしょうか?)契約することが多いです。

私自身もこのような病院に出向していたことがありますが、年収はそこそこ高く契約してもらえます。とはいえ、専門的な知識を持っていたり(専門医)、何か長けたスキルがあった方が給料に反映されることがあります。まあ一番は条件次第で、例えば「毎週当直して頂く代わりに月収は150万です」といったり「土日はおやすみです。当直もありません。その代わりに当直してくれる先生よりも年収は300万低いです」といった具合に病院と交渉し雇用体系を決めていくことも現在は一般的な気がします。

m3などの医者の転職サイトなどを見てみると、こういったケースではどんなに安くても1000万以上の年収が提示されているようですが、医者としての経験年数(卒後10年でないと受け付けませんというような条件)が要求されたり、内視鏡ができる、がん診療の経験が豊か、といったような専門で多くの方にとってありがたいスキルを要求されたりすることが多いようです。

私も専門医の資格を複数持ち、経験年数も10年超えていますのでそれなりのオファーが来ますが、「へき地にきていただけませんか?医療過疎地で診療をお願いしたいです」というような場合は2500万円以上の高額な年収を提示されたりします。

まあ大学病院やそれに準じるほどの大きな病院に勤めるよりはるかに勤務時間は短く、家族サービスもできる上に、年間の報酬は保証されていますので気が楽でした。私も出向しているときの数年間が一番年収も高く、時間もあり毎日のように家族と夕飯を食べることができていました。

長くなりましたがまとめますと

・大学病院勤めの先生の給料はアルバイト次第。

・アルバイトは時給が高い。

・当直アルバイトということもある。

・バイト次第でかなり給料はばらつくので、誰もが1000万円プレイヤーではない。

・好きでバイトに行っているわけではなく、疲れすぎて脱落するものもいる。

・病院と個別に契約するケースも多い。その場合はスキルを要求されるものの年収は高いことが多い。

仕事をしているうえでのQOL(Quality of Life 人生の質)の高さと給料の高さは、

中小規模の市中病院>>>>>>大学病院勤務

ということが一般的だということもきちんと明記しておきますw

明日~明後日にかけて大学院生と開業医の先生についてみていき、フリーランスの先生ということについても言及していきたいと思います。今週中に最後のまとめをしたいと思ってます。

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